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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《鉄塔の怪人/海底の魔術師(てっとうのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 頁
奇怪な消失
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やがて、おしりだけが、窓の外へ、はみだして、ぶきみな長い足を、モガモガやっていましたが、それも、窓の中へ、かくれてしまいました。怪物は、ついに、兄弟の勉強部屋へ、侵入してしまったのです。
村瀬という男は、うそをいいませんでした。賢二少年は、いまにも、かどわかされそうとしているのです。しかも、あの見るもおそろしい妖虫の長い足にだかれて、どこかへ、つれさられようとしているのです。
奇怪な消失
ぶきみな妖虫の姿が、賢二少年たちの部屋の中に、消えてしまうと、広田は、にわかに、あわてだしました。もう夜の十時なので、勉強部屋にはだれもいません。にいさんの壮一君も、弟の賢二君もべつの部屋で、寝ていたからです。しかし、カブトムシは、その寝室までも、ゴソゴソと、はっていくかもしれません。そして、賢二君を、あの長い足でつかんで、どこかへつれさるかもしれないのです。
広田はそれをおもうと、もうじっとしていられません。いきなり、勉強部屋の外に、かけよって、いましがた、カブトムシのはいっていった窓に、よじのぼり、まっ暗な、部屋の中へ、はいっていきました。
部屋のすみに、身をかがめて、じっと耳をすましても、なんの音も聞こえません。