輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十三)青い帯

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十三)青い帯(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 114,244 字 · 231 頁

青空文庫

五

そんな綽名がどうかすると、とんだ喰わせ者の偽装になっていることを、いろいろの機会で教わっているのです。

「…………」

中はほんとうに形ばかりの世帯で、土間に筵を敷き、木の根っこを二つ並べ、火のない七輪は鉢巻をし、水のない瓶は、三分の一ほどから上は欠け落ちている有様でした。

筵の上につまんで置いたような寒々とした老爺は、二人の姿を見ると、臆病らしくお辞儀をしました。老けては見えますが、それは貧苦と労働のせいで、本当はせいぜい五十四五でしょう。肘の抜けた野良着、ボロボロの股引、膝っ小僧がハミ出して、虫喰い月代が胡麻塩髭とともに浅ましく伸びております。

「爺さん、びくびくする事はない。正直に話してくれ」

八五郎はその側へ寄って、木の根っこの一つに腰をおろしました。

五

作男松蔵の話は、正直すぎて嘘のようでした。一つは八五郎の明けっ放しな質問に引出されたのと、もう一つは、土地の者源吉が、いろいろの事情を知り抜いていて、松蔵に隠し立てを許さなかったせいもあるでしょう。

「お前が寅旦那から金を借りて、田地を取上げられたというのは本当か」

八五郎の問いはこんな事から始まりました。