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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十三)青い帯
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十三)青い帯(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 114,244 字 · 231 頁
四
「そんなものかな」
「こいつはお紋の話ですが、ことに菊次郎は小用を足しに階下へ降りて、ひどくあわてた顔をして二階へ帰ったそうですよ」
「五助は?」
「五助もその前に降りたが、これは平気な顔をしていたそうです」
「お秀は?」
「お秀はお勝手の用事を済ませてすぐ二階へ来たが、三味線なんか弾いて、少し浮かれていたそうです」
「ところで、昨夜の花火は早仕舞だったな」
「え、戌刻(八時)前に、空模様が悪くなったんで、つづけざまに揚げきったようですよ」
「それでよかろう」
これだけのことを訊きおわると、平次はまた粉煙草をせせりながら、深い考えに沈みました。
「菊次郎と五助を挙げてみましょうか、親分」
ガラッ八は少しじれったくなりました。
「いや、そんな手軽なものじゃあるまい。も少し待つがいい」
五
その日の夕景近くなってから、銭形平次はとうとう御輿を上げました。
代地のお秀の家へ行くと、
「お、銭形の親分」
お神楽の清吉は入口に関を据えて、富樫左衛門尉みたいな顔をしております。
「お神楽の兄哥、ちょっと見せて貰うよ」
平次は蟠りのない態度でヌッと入りました。それに続くガラッ八、これは少しばかり肩肘が張ります。