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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十三)青い帯
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十三)青い帯(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 114,244 字 · 231 頁
「まだ検屍前じゃないか。余計なことをするとかえってためにならないぜ」
「…………」
平次の調子はいくらか穏やかになりましたが、その底には仮借のない響きがありました。
「ヘエ――先刻までありましたが――」
「八、捜して来てくれ。誰が持って行ったか、そいつも突き止めるんだ」
「…………」
八五郎は黙って飛んで行きました。妙な緊迫が、すっかり座を白けさせます。
「親分、御苦労さまで――」
静かに出て来たのは、雑俳に凝っているという、主人の半兵衛です。まだ鬢に白いものも交えない品の良い中老人です。
「お気の毒ですね。――ところでこんな虐たらしいことをする人間に心当りはありませんか。――ゆうべ何か変ったことでも――」
平次は静かに問い進みました。
「いえ、少しも。――私は二番目娘のお雪を伴れて、麻布の親類へ行って泊り、けさ帰って来たばかりで、途方に暮れているところです」
半兵衛は大きな悲歎と驚きに打ちひしがれて、娘の死体から眼を反けました。
「亡くなったお吉さんの縁談の口は?」
「選り好みを言って、まだ決ったわけじゃありません。が――」
「手代の福松に娶合せるだろうと世間では言っているようですが――」