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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 139,230 字 · 280 頁
「八、お前にしちゃうまい事を言ったぜ。火をつけた時は皆んなそっちへ気が外れるから、定吉なんかに目もくれる者はない――とね、なるほどそれに違いない」
平次は妙なところへ感心しました。
「――お前にしちゃ――は気に入らないね、親分」
「贅沢を言うな、それで沢山だ。――定吉に気がつかないくらいだから左門次にも、徳兵衛にも、竹次にも気がつかなかったわけだ。待てよ、東海坊が壇に登って、薪に火をかける前に、曲者が穴へ潜り込んだと思ったのは俺の間違いかな」
「親分、感心していちゃいけません。それじゃ、定吉が下手人ですかい」
「いや違う。定吉は変てこな白い着物を着ていた。あの扮じゃ穴へ潜れない、手を洗ったのは一応臭いようだが、本当に穴に潜った奴なら、手を洗うとかえって疑われるくらいのことに気が付くだろう。曲者は手を洗わない奴だ」
平次の推理は微に入り細を穿ちます。
「それじゃ、あの浪人者も?」
「あれは怪しい。が、腕が出来そうだ。東海坊が気に入らなきゃ、細工をせずに斬って捨てるだろう」
「なるほどね」
「東海坊の祈祷がきかなくて、一人っ子に死なれたという、門前町の文七が一番怪しい。