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さこく
鎖国
和辻 哲郎
線上閱讀和辻 哲郎《鎖国(さこく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 頁
その原理を書いた論文もただ手写によって拡まっていた。が学界に於ては追々に注意を引き、一五三九年にはレティクスの弟子入り、翌年にはコペルニクスの労作についての発表などがあった。コペルニクスも遂に友人や弟子たちの懇請に負けて著書の発表を決意し、レティクスがその原稿をニュルンベルクに持って来て印刷に附した。しかし書物が出来るまでに彼は歿したのである。それはむしろ彼にとって幸福であったろうと云われる。何故ならレティクスは、彼の信頼を裏切り、周囲の非難を怖れて、地動説は単なる仮説に過ぎぬという序言を勝手に附加したのだからである。ルターやメランヒトンなどもこの説を嫌った。ローマの教会でも追々に反対の気勢が現われ、一六一六年にはガリレイの騒ぎをきっかけとしてコペルニクスの書は禁書の中に入れられた。それが一般の承認を得るまでにはまだまだ年月の経過を必要としたのである。しかしコペルニクス自身にとっては地動説は単なる仮説ではなくして証明された事実なのであり、そうしてそこに世界に対する全然新しい視界が開けていた。それが容易に一般の承認を得難かったのは、この新しい視界があくまでも精神的な視界――即ち数学的な合法性に従って把捉された視界――であって、単なる感覚的な視界でなかったことに基くであろう。