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もん

門

夏目 漱石

線上閱讀夏目 漱石《門(もん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 頁

青空文庫

宗助もそれに気がついたらしく、

「さあ、もう御膳を下げたら好かろう」と細君を促がして、先刻の達磨をまた畳の上から取って、人指指の先へ載せながら、

「どうも妙だよ。よくこう調子好くできるものだと思ってね」と云っていた。

台所から清が出て来て、食い散らした皿小鉢を食卓ごと引いて行った後で、御米も茶を入れ替えるために、次の間へ立ったから、兄弟は差向いになった。

「ああ奇麗になった。どうも食った後は汚ないものでね」と宗助は全く食卓に未練のない顔をした。勝手の方で清がしきりに笑っている。

「何がそんなにおかしいの、清」と御米が障子越に話しかける声が聞えた。清はへえと云ってなお笑い出した。兄弟は何にも云わず、半ば下女の笑い声に耳を傾けていた。

しばらくして、御米が菓子皿と茶盆を両手に持って、また出て来た。藤蔓の着いた大きな急須から、胃にも頭にも応えない番茶を、湯呑ほどな大きな茶碗に注いで、両人の前へ置いた。

「何だって、あんなに笑うんだい」と夫が聞いた。けれども御米の顔は見ずにかえって菓子皿の中を覗いていた。

「あなたがあんな玩具を買って来て、面白そうに指の先へ乗せていらっしゃるからよ。