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もん
門
線上閱讀夏目 漱石《門(もん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 頁
薄だの蔦だのと云う洒落たものに至ってはさらに見当らない。その代り昔の名残りの孟宗が中途に二本、上の方に三本ほどすっくりと立っている。それが多少黄に染まって、幹に日の射すときなぞは、軒から首を出すと、土手の上に秋の暖味を眺められるような心持がする。宗助は朝出て四時過に帰る男だから、日の詰まるこの頃は、滅多に崖の上を覗く暇を有たなかった。暗い便所から出て、手水鉢の水を手に受けながら、ふと廂の外を見上げた時、始めて竹の事を思い出した。幹の頂に濃かな葉が集まって、まるで坊主頭のように見える。それが秋の日に酔って重く下を向いて、寂そりと重なった葉が一枚も動かない。
宗助は障子を閉てて座敷へ帰って、机の前へ坐った。座敷とは云いながら客を通すからそう名づけるまでで、実は書斎とか居間とか云う方が穏当である。北側に床があるので、申訳のために変な軸を掛けて、その前に朱泥の色をした拙な花活が飾ってある。欄間には額も何もない。ただ真鍮の折釘だけが二本光っている。その他には硝子戸の張った書棚が一つある。けれども中には別にこれと云って目立つほどの立派なものも這入っていない。