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ゆき
雪
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《雪(ゆき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 77,536 字 · 152 頁
ここにその一例を挙げて見れば、読者はその思いつきの簡単なことに驚かれるであろう。昭和十二年頃から、屋根の雪下ろしについて一つの試みをした。それは、屋根から樋をつけて、その中に雪を入れて下へ辷らせるのである。樋は斜に遠くまでやっておき、その樋の内側に蝋をひいておくのである。蝋といってもスキーに使うような上等の品である必要はないので、蝋燭に用うる蝋の粗悪なもので十分なのである。この簡単な装置のために、雪を屋根より高く運び上げるという困難が一掃されてしまうのである。
また越後のある村で永く校長をしていた人が、雪下ろしのいらぬ屋根を考案した。それは勾配の急なトタン葺の屋根を作り、そして下に人間が住んでいれば、下の暖気で屋根の雪が辷り落ち、その辷り落ちた雪は丁度下にある池の中へ落ちるという工合になっているのである。この思いつきをとり入れて、今和次郎氏が調査所の依頼で、実際の家を建て農村の人を住ませて実験をすすめている。例えば、冬期の文字通りの雪に埋れた生活からのがれるために、二階住居とし、一階は倉庫にあてまた一部に馬も住ませ、二階の一部は家内工業の仕事場に当てるという工合にしているのであるが、成績は頗る見るべきものがある。