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れいこんだいじゅうごうのひみつ
霊魂第十号の秘密
海野 十三
線上閱讀海野 十三《霊魂第十号の秘密(れいこんだいじゅうごうのひみつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 43,100 字 · 86 頁
と、そのミイラの如き人物は、博士に向ってなつかしげに話しかけたのであった。
帰国
親子は、その後、バリ港を船で離れることができた。その船はノールウェイの汽船で、インドへ行くものだった。
コロンボで、船を下りなくてはならなかった。そしてそこで、更に東へ向う便船を探しあてることが必要だった。親子は、慣れない土地で、新しい苦労を重ねた。
この二人を、ほんとの親子だと気のつく者はなかった。そうであろう、治明博士の方は誰が見でも中年の東洋人であるのに対し、ロザレの肉体を借用している隆夫の方は、青い目玉がひどく落ちこみ、鼻は高くて山の背のように見え、その下にすぐ唇があって、やせひからびた近東人だ。頭巾の下からは、鳶色の縮れ毛がもじゃもじゃとはみ出している。パンツの下からはみ出ている脛の細いことといったら、今にもぽきんと折れそうだった。
しかし結局、隆夫のおかげで、治明博士はインドシナへ向う貨物船に便乗することができた。それはロザレの隆夫を聖者に仕立て、すこしもものをいわせないことにし――しゃべれば隆夫は日本語しか話せなかった――治明博士はその忠実なる下僕として仕えているように見せかけ、そのキラマン号の下級船員の信用を得て、乗船が出来たのであった。