輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

まぞう

魔像

林 不忘

線上閱讀林 不忘《魔像(まぞう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 131,494 字 · 260 頁

青空文庫

同時だ。哄笑と一緒に伸び切った喬之助の上半身だ。ぱアッ! 片膝が前へ出たと見えたとき、そして、右手が刀の柄へ行ったと見えた刹那――。

喬之助は、抜身の一刀を糸で腰に釣って、それに、羽二重の単羽織をフワリと掛け、刀身をすっかり隠して、鞘に納まっている如く見せかけていたのだ。それが今、手が柄に掛ると同瞬、そのまま撥ね上げればいいのだ。刀は、みずから糸を断ち、羽織の裾を潜って、眼前に躍り出る。その刀身に、スウーッ! と血糊が走って……虚心流竹輪切りの一剣だ。

今まで何か饒舌って動いていた甚八の首が、宙に弧を描いてドサッ、畳を打った。

「五番首――笠間甚八殿」

喬之助は、うめいた。静かに立ち上っていた。切り落したような沈黙だ。その沈黙の中で、喬之助は、血を引いた抜刀を片手に、ソロリ、ソロリと退って、障子に手をかけて縁側へ出ようとした。

それで初めてわれに返ったように気のついた番士一統と源助町の勢である。池上新六郎、山路重之進、大矢内修理、比企一隆斎、鏡丹波らを先頭に、抜き連れて畳を蹴り、喬之助に追いすがった。が、喬之助は、手早く障子をあけて、消えるように縁へ出る。