輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《鳴門秘帖(三)(なるとひちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 261,216 字 · 521 頁

青空文庫

周馬が、虚空から切って落した帆布は、その下にいた弦之丞とお十夜の上へ、バラ――ッと、すごい唸りをあげて落ちてきた。

柱を離れた十四反帆、船をそっくり包んでしまうほど大きい、巨大な獣の背なかのようにムクムク波を打っている。

ザアーッと、一散な雨が横に吹ッかけてきた。

雨の白さが、いっそう闇を濃くさせた。波は高くおどり、風は狂わしく吠えたける。

船は、無論、暗澹たる中をグルグル廻っているのである。水夫、楫主、船幽霊のような声をあげて、ワーッと八方の闇にうろたえている。

「あっ、ひどい音が?」

「暴雨だッ」

と達磨部屋の底で、はね起きたのは、松兵衛と新吉。

戸を引ッぱずして外へ首を出してみたが、そこは、いッぱいに、落ちた帆布がかぶさっている。

で何も見えない。ただ、ザンザとうつ大雨の音と、風の咆哮と、船夫たちの気狂いのような声。

暴雨ばかりではない! 何か、騒動が起こった様子と――松兵衛、わけは知らないのでそれへ潜り込んでゆくと、ギラリと、太刀魚のような光りもの!

「あッ」

と、突っ伏した途端に、うしろの新吉は、達磨部屋へころげ落ちていた。――と、帆布の一端を切り破って、おどりだしたのは弦之丞である。