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おれはにじゅうめんそうだ

おれは二十面相だ/妖星人R

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《おれは二十面相だ/妖星人R(おれはにじゅうめんそうだ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 194,415 字 · 391 頁

青空文庫

「おっかないって、いったい、どんなことですか。」

小林団長が、ひざをのりだすようにしてたずねました。

「それがね、わけがわからねえだよ。なんでも、雲の上に、おっかねえばけものがいて、わるさをするっていうのよ。」

いよいよ、おもしろくなってきました。

「わるさって、どんなわるさをするんです。」

「雲の上から、でっかい手が、ニューッとおりてきて、ニワトリや畑のものをつかんでいくんだって。牛や馬でも、つかみころされたことがあるくれえよ。」

「ねえさんは、その大きな手を、見たことがあるの?」

「いんや、わしは見ねえけんど、大ぜい見た人があるだよ。そのばけものの腕は、ふたかかえもあるマツの木のような、でっけえ腕だとよ。」

三人の少年は、顔を見あわせました。いったい、そんなばかなことが、あるものでしょうか。雲の中から、巨人の腕がニューッとあらわれて、いろんなものをつかんでいくなんて、いままで聞いたこともない、へんな話です。

「ねえさんは、そんなことをいって、ぼくらをおどかすんだろう。東京の子どもは、山の中のことを、なんにも知らないと思って、おどかしているんだろう。」

ノロちゃんが、にやにや笑いながらいいました。