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さぶ
さぶ
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《さぶ》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 210,521 字 · 415 頁
「人間なんて針一本で殺せるんだ」と才次は人足の一人に云った、「ぼんのくぼのちょっと上のところにつぼがある、そこへ針を刺し込めばいいんだ、一遍でころりよ、傷が残らねえから誰にもわかりゃあしねえんだぜ」
おれはしゃばで人を五人も片輪にしたことがある、おれがその気になれば、三人までは一度に喧嘩相手にできる、などとも云った。そのほか凄んだことを聞けがしに云うが、栄二はそっちを見ようともせず、聞えたようなそぶりもみせなかった。
「気をつけなきゃいけませんよ」と或るとき与平が囁いた、「――あの才次は小頭もやめさせられたので、恨みもちっとやそっとじゃないでしょうからね、近よらないほうがいいですよ、栄さん」
口がすべったが、栄さんていう名は決して口外はしないと、与平は慌てて弁解した。
護岸工事が終り、そのあと片づけに七日ほどかかった。十五日の夕方、部屋へ帰って手足を洗っていると、小島良二郎が呼びに来て、ちょっとこいと云う。栄二は手を拭きながら、小島のあとについていった。役所の建物をまわってゆくと、大川口に面した門の脇に番所がある。その前までゆくと小島は立停って、番所のほうへ手を振った。