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さぶ
さぶ
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《さぶ》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 210,521 字 · 415 頁
万吉は深い呼吸をしてから云った、「――まじめに仕事をするのは半分ぐらいで、あとはみせかけだけに動いてるか、ひでえのはまるっきり投げちまってる、もっとひでえのは、隙をみちゃあ博奕をやってるんだぜ、あにい」
この部屋の中もそうだ、と栄二は心の中で呟いた。いつか与平が云ったとおり、男ばかりが寝起きしているにもかかわらず、この部屋はいつもきちんと片づいていたし、きれいに掃除もゆき届いていた。けれどもいまはそうではない、自分のいまわりだけは片づけ、欠かさず掃除をする者もあるが、それも日を追って少なくなり、ときたま小頭の伝七と与平とで、部屋ぜんたいの掃除をするというふうになっていた。
「おらもうがまんができねえ」と万吉は囁いていた、「お奉行さまへ訴えて出るつもりだ」
栄二はゆっくりと首を振った、「よしたほうがいい、むだなことだ」
「お奉行さまへ、じかにだぜ」
「役所には役所の仕組がある、それに」栄二は自分の考えをまとめるように、ひと呼吸おいてから云った、「――人間てやつは欲に弱いもんだ、義一がどこまで役人たちを抱きこんでいるかわからないが、おめえが訴えて出ても、その役人たちは自分の欲と面目のために、どんな手を使っても揉み消そうとするだろう、お奉行にしたって役人は自分の部下だ、部下のおちどは自分のおちどになる、おめえの考える