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さぶ

さぶ

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《さぶ》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 210,521 字 · 415 頁

青空文庫

それがわかればもういい、栄二はもう手からはなれたのだ。いま岡安喜兵衛の頭を占めているのは、手に負えない乱暴者だという、新しい人足のことだけに相違ない。栄二はそう思いながら、与平のことをきき、こぶの清七のことをきいた。もっこ部屋の者はみな、島の外へ仕事に出たので、むろん与平もいっしょだし、知っている者はみな留守だという。清七はその後まったく消息がなく、いどころさえわからないそうであった。

「おとよとかいったな、あの女」と云って岡安は眉のあたりをくもらせた、「――あれといっしょに三度ばかり引越した、三度めには木挽町一丁目へ移ったが、そこから清七は姿を消してしまったそうだ」

「どうしてそれがわかったんですか」

「ここから出た者は、町奉行の同心が一年のあいだ監視するのだ、もちろん当人にも近所の者にも気づかれないようにな」

「すると」栄二は声を低くした、「あっしにも見張りがついていたんですか」

岡安は微笑した、「気づかなかったようだが、むろんおまえも監視されていた、万一にもあやまちを犯さないようにだ」

栄二は静かに、深く頭を垂れた。

「おとよという女は、まだ木挽町一丁目の裏店に住んでいる」