輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

それから

それから

夏目 漱石

線上閱讀夏目 漱石《それから》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 172,794 字 · 347 頁

青空文庫

代助は仕方なしに、仕舞に、

「久し振りだから、其所いらで飯でも食おう」と云い出した。平岡は、それでも、まだ、何れ緩くりを繰返したがるのを、無理に引張って、近所の西洋料理へ上った。

両人は其所で大分飲んだ。飲む事と食う事は昔の通りだねと言ったのが始りで、硬い舌が段々弛んで来た。代助は面白そうに、二三日前自分の観に行った、ニコライの復活祭の話をした。御祭が夜の十二時を相図に、世の中の寐鎮まる頃を見計って始る。参詣人が長い廊下を廻って本堂へ帰って来ると、何時の間にか幾千本の蝋燭が一度に点いている。法衣を着た坊主が行列して向うを通るときに、黒い影が、無地の壁へ非常に大きく映る。――平岡は頬杖を突いて、眼鏡の奥の二重瞼を赤くしながら聞いていた。代助はそれから夜の二時頃広い御成街道を通って、深夜の鉄軌が、暗い中を真直に渡っている上を、たった一人上野の森まで来て、そうして電燈に照らされた花の中に這入った。

「人気のない夜桜は好いもんだよ」と云った。平岡は黙って盃を干したが、一寸気の毒そうに口元を動かして、

「好いだろう、僕はまだ見た事がないが。――然し、そんな真似が出来る間はまだ気楽なんだよ。