輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
それから
それから
線上閱讀夏目 漱石《それから》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 172,794 字 · 347 頁
代助は苦しいので、何返も席を立って、後の廊下へ出て、狭い空を仰いだ。兄が来たら、嫂と縫子を引き渡して早く帰りたい位に思った。一遍は縫子を連れて、其所等をぐるぐる運動して歩いた。仕舞には些と酒でも取り寄せて飲もうかと思った。
兄は日暮とすれすれに来た。大変遅かったじゃありませんかと云った時、帯の間から、金時計を出して見せた。実際六時少し回ったばかりであった。兄は例の如く、平気な顔をして、方々見回していた。が、飯を食う時、立って廊下へ出たぎり、中々帰って来なかった。しばらくして、代助が不図振り返ったら、一軒置いて隣りの金縁の眼鏡を掛けた男の所へ這入って、話をしていた。若い女にも時々話しかける様であった。然し女の方では笑い顔を一寸見せるだけで、すぐ舞台の方へ真面目に向き直った。代助は嫂にその人の名を聞こうと思ったが、兄は人の集る所へさえ出れば、何所へでも斯の如く平気に這入り込む程、世間の広い、又世間を自分の家の様に心得ている男であるから、気にも掛けずに黙っていた。
すると幕の切れ目に、兄が入口まで帰って来て、代助一寸来いと云いながら、代助をその金縁の男の席へ連れて行って、愚弟だと紹介した。