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それから

それから

夏目 漱石

線上閱讀夏目 漱石《それから》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 172,794 字 · 347 頁

青空文庫

父と嫂は黙っていた。そこで代助は、あの大人しさは、羞耻む性質の大人さだから、ミスの教育とは独立に、日本の男女の社交的関係から来たものだろうと説明した。父はそれもそうだと云った。梅子は令嬢の教育地が京都だから、ああなんじゃないかと推察した。兄は東京だって、御前みた様なのばかりはいないと云った。この時父は厳正な顔をして灰吹を叩いた。次に、容色だって十人並より可いじゃありませんかと梅子が云った。これには父も兄も異議はなかった。代助も賛成の旨を告白した。四人はそれから高木の品評に移った。温健の好人物と云う事で、その方はすぐ片付いてしまった。不幸にして誰も令嬢の父母を知らなかった。けれども、物堅い地味な人だと云うだけは、父が三人の前で保証した。父はそれを同県下の多額納税議員の某から確めたのだそうである。最後に、佐川家の財産に就ても話が出た。その時父は、ああ云うのは、普通の実業家より基礎が確りしていて安全だと云った。

令嬢の資格が略定まった時、父は代助に向って、

「大した異存もないだろう」と尋ねた。その語調と云い、意味と云い、どうするかね位の程度ではなかった。