輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
それから
それから
線上閱讀夏目 漱石《それから》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 172,794 字 · 347 頁
と云うのが代助の論法であった。代助は縁談を断るより外に道はなくなった。
こう決心した翌日、代助は久し振りに髪を刈って髯を剃った。梅雨に入って二三日凄まじく降った揚句なので、地面にも、木の枝にも、埃らしいものは悉くしっとりと静まっていた。日の色は以前より薄かった。雲の切れ間から、落ちて来る光線は、下界の湿り気のために、半ば反射力を失った様に柔らかに見えた。代助は床屋の鏡で、わが姿を映しながら、例の如くふっくらした頬を撫でて、今日から愈積極的生活に入るのだと思った。
青山へ来て見ると、玄関に車が二台程あった。供待の車夫は蹴込に倚り懸って眠ったまま、代助の通り過ぎるのを知らなかった。座敷には梅子が新聞を膝の上へ乗せて、込み入った庭の緑をぼんやり眺めていた。これもぽかんと眠むそうであった。代助はいきなり梅子の前へ坐った。
「御父さんは居ますか」
嫂は返事をする前に、一応代助の様子を、試験官の眼で見た。
「代さん、少し瘠せた様じゃありませんか」と云った。代助は又頬を撫でて、
「そんな事も無いだろう」と打ち消した。
「だって、色沢が悪いのよ」と梅子は眼を寄せて代助の顔を覗き込んだ。