輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

それから

それから

夏目 漱石

線上閱讀夏目 漱石《それから》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 172,794 字 · 347 頁

青空文庫

それが、少し衰えると、今度は自己の行為に対して、云うべからざる汚辱の意味を感じた。彼は何の故に、斯かる下劣な真似をして、あたかも驚ろかされたかの如くに退却したのかを怪しんだ。彼は暗い小路に立って、世界が今夜に支配されつつある事を私かに喜んだ。しかも五月雨の重い空気に鎖されて、歩けば歩く程、窒息する様な心持がした。神楽坂上へ出た時、急に眼がぎらぎらした。身を包む無数の人と、無数の光が頭を遠慮なく焼いた。代助は逃げる様に藁店を上った。

家へ帰ると、門野が例の如く慢然たる顔をして、

「大分遅うがしたな。御飯はもう御済みになりましたか」と聞いた。

代助は飯が欲しくなかったので、要らない由を答えて、門野を追い帰す様に、書斎から退ぞけた。が、二三分立たない内に、又手を鳴らして呼び出した。

「宅から使は来やしなかったかね」

「いいえ」

代助は、

「じゃ、宜しい」と云ったぎりであった。門野は物足りなそうに入口に立っていたが、

「先生は、何ですか、御宅へ御出になったんじゃ無かったんですか」

「何故」と代助はむずかしい顔をした。

「だって、御出掛になるとき、そんな御話でしたから」