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それから

それから

夏目 漱石

線上閱讀夏目 漱石《それから》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 172,794 字 · 347 頁

青空文庫

そうして子供に調戯ったり、書生と五目並べをしたり、嫂と芝居の評をしたりして帰って来る。

代助はこの嫂を好いている。この嫂は、天保調と明治の現代調を、容赦なく継ぎ合せた様な一種の人物である。わざわざ仏蘭西にいる義妹に注文して、むずかしい名のつく、頗る高価な織物を取寄せて、それを四五人で裁って、帯に仕立てて着てみたり何かする。後で、それは日本から輸出したものだと云う事が分って大笑いになった。三越陳列所へ行って、それを調べて来たものは代助である。それから西洋の音楽が好きで、よく代助に誘い出されて聞に行く。そうかと思うと易断に非常な興味を有っている。石龍子と尾島某を大いに崇拝する。代助も二三度御相伴に、俥で易者の許まで食付いて行った事がある。

誠太郎と云う子は近頃ベースボールに熱中している。代助が行って時々球を投げてやる事がある。彼は妙な希望を持った子供である。毎年夏の初めに、多くの焼芋屋が俄然として氷水屋に変化するとき、第一番に馳けつけて、汗も出ないのに、氷菓を食うものは誠太郎である。氷菓がないときには、氷水で我慢する。そうして得意になって帰って来る。