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それから
それから
線上閱讀夏目 漱石《それから》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 172,794 字 · 347 頁
代助の方から神保町の宿を訪ねた事が二返あるが、一度は留守であった。一度は居ったには居った。が、洋服を着たまま、部屋の敷居の上に立って、何か急しい調子で、細君を極め付けていた。――案内なしに廊下を伝って、平岡の部屋の横へ出た代助には、突然ながら、たしかにそう取れた。その時平岡は一寸振り向いて、やあ君かと云った。その顔にも容子にも、少しも快よさそうな所は見えなかった。部屋の内から顔を出した細君は代助を見て、蒼白い頬をぽっと赤くした。代助は何となく席に就き悪くなった。まあ這入れと申し訳に云うのを聞き流して、いや別段用じゃない。どうしているかと思って一寸来てみただけだ。出掛けるなら一所に出ようと、此方から誘う様にして表へ出てしまった。
その時平岡は、早く家を探して落ち付きたいが、あんまり忙しいんで、どうする事も出来ない、たまに宿のものが教えてくれるかと思うと、まだ人が立ち退かなかったり、あるいは今壁を塗ってる最中だったりする。などと、電車へ乗って分れるまで諸事苦情ずくめであった。代助も気の毒になって、そんなら家は、宅の書生に探させよう。なに不景気だから、大分空いてるのがある筈だ。