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たにしのしゅっせ
むかし むかし あるところに
楠山 正雄
線上閱讀楠山 正雄《むかし むかし あるところに(たにしのしゅっせ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 13,919 字 · 29 頁
浦島太郎
一
むかし、むかし、丹後の国水の江の浦に、浦島太郎というりょうしがありました。
浦島太郎は、毎日つりざおをかついでは海へ出かけて、たいや、かつおなどのおさかなをつって、おとうさんおかあさんをやしなっていました。
ある日、浦島はいつものとおり海へ出て、一日おさかなをつって、帰ってきました。途中、子どもが五、六人往来にあつまって、がやがやいっていました。何かとおもって浦島がのぞいてみると、小さいかめの子を一ぴきつかまえて、棒でつついたり、石でたたいたり、さんざんにいじめているのです。浦島は見かねて、
「まあ、そんなかわいそうなことをするものではない。いい子だから」
と、とめましたが、子どもたちはきき入れようともしないで、
「なんだい。なんだい、かまうもんかい」
といいながら、またかめの子を、あおむけにひっくりかえして、足でけったり、砂のなかにうずめたりしました。浦島はますますかわいそうにおもって、
「じゃあ、おじさんがおあしをあげるから、そのかめの子を売っておくれ」
といいますと、こどもたちは、
「うんうん、おあしをくれるならやってもいい」
といって、手を出しました。