輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ゆうれいかしや
ゆうれい貸屋
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《ゆうれい貸屋(ゆうれいかしや)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 21,320 字 · 42 頁
一 怠け者にも云えば理はあり
一 怠け者にも云えば理はあり
江戸京橋炭屋河岸の「やんぱち長屋」という裏店に、桶屋の弥六という者が住んでいた。弥六は怠け者であった。それも大抵なくらいのものではない、人を愚する程度でもない。もっとずっとひどい怠け者であった。
「あいつはしようがねえ、弥六のやつは」
家主の平作老人は歎息し次のように折紙を付けた。
「ああいうのを、底抜けってえんだ」
これに対して反対する者は一人もなかった。そればかりでなく「底抜け」という折紙は、そのまま弥六のものになった。
弥六の父は弥八といって、これは評判の働き者であった。やはり桶屋職人で、酒も煙草も賭博も遊蕩も嫌いであり、食うのと寝る時間のほかは働きどおしに働いた。弥八が四十六で死んだとき、弥六は二十一であった。律気な父親の仕込みで、彼も桶屋としてはかなりな腕をもっていたし、親の顧客をそっくり引継いだし、母親は丈夫でいたしというわけで、生活はまあまあ楽であった。
彼は二十四で嫁を貰った。すると母親が死んだ。まことにあっけないもので、三人で晩飯を食べているとき、彼女はとつぜん茶碗と箸を抛りだして、仰反さまにひっくら返った。