輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
きなだむら
ゼーロン・淡雪 他十一篇
牧野 信一
線上閱讀牧野 信一《ゼーロン・淡雪 他十一篇(きなだむら)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 27,321 字 · 54 頁
一緒になって談笑もしている様子を見ると、僕は別段そこに何の不思議もないあり得べきことを見ている通りな心地になって、何ということもなく、
「まあ、好かった。」
と思ったりした。
「有りがとう――」
僕は七郎丸に肩を敲かれてわれに返ったが、向方の仕事場の明るみのうちに見た幻が、なかなか幻と思い切れなかった。――七郎丸は、僕の肩を敲きながら続けた。
「有りがとう――俺は、君が、そこでそうして丸源の仕事を眺めている怖ろしく真剣な姿に感謝せずには居られない。俺は、君の、その情熱の溢れきった素晴しい姿を永久に忘れることは出来ないだろう……もうこっちが苦しい、卓子に戻ってくれ。」
こういわれたので僕は、その自分の姿勢を験べて見ると、自分は窓枠に片脚をかけ、右の拳を月光の中に、悪人の脇腹を突いた荒武者のそれのように力一杯に突き出し、上体を虎のように前方に乗り出し、そして左手の拳で自分の頤を突きあげているままの生人形に化していたのである。
ベルが鳴った。
来訪者だ。
「どなた?」と七郎丸が通話口に顔をあてて訊ねた。
「エレベーターを降して頂戴な。」
僕の妻の声だった。
ここの部屋は「係員以外の出入厳禁」