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せんきゅうひゃくよんじゅうしち・はちねんのぶんだん

一九四七・八年の文壇

宮本 百合子

線上閱讀宮本 百合子《一九四七・八年の文壇(せんきゅうひゃくよんじゅうしち・はちねんのぶんだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 4,924 字 · 10 頁

青空文庫

さて大掴みに注目されるこれらの三つの現象は、本年度にどう展開されてゆくでしょうか。

これまでは文学の問題は文学の枠の中からだけとやかくいわれました。しかしこの段階は誰の目にもはっきり過去のものとしてうつっていると思います。なぜなら以上の三つの問題のどの一つをとってみても、ただ小説の問題とか詩の問題とかにかぎってその狭い地盤の上で発生している現象ではありません。どれもこれも、日本の社会が全体として今日当面しているいろいろの事情から湧いている現象の一つとしての文学現象であるといえます。

前年度に見られた現象がこういう本質のものであるとするならば、一九四八年度における文学の諸問題は文学という分野の特殊な性質をたもちながらも、たしかに一九四八年度の日本の民主化の歴史がどうすすむかという事情と一致した歩調で、いくらか社会現象よりおくれながら働いてゆくものだと思います。つまり日本の大多数の人がどのように具体的に自分たちの民主的な毎日を確保してゆくために努力するかということときっちり結びついています。

こう見てくると実に面白いことがあります。それはもう前年度の文学現象の検討の中に、自ら現代文学の重要な発展の可能性が示されているということです。