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せんきゅうひゃくよんじゅうしち・はちねんのぶんだん
一九四七・八年の文壇
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《一九四七・八年の文壇(せんきゅうひゃくよんじゅうしち・はちねんのぶんだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 4,924 字 · 10 頁
前年度の回顧の中の第一の分類に属する丹羽文雄氏が「私は小説家である」といういせいのいい論文で、社会小説を主張して私小説から脱却しようとする今日の潮流に合していますが、一社会人として社会の進歩の歴史に対して責任を負わない客観主義に立つ社会小説というものは、人間一人一人の自覚と自主が確立される社会を建設してゆこうとする民主的な方向と一致しないものであることは、明らかに理解されます。作者の社会人としての感覚、歴史に対する積極的な参与を自覚しない客観主義は、いわば十九世紀の自然主義のぬりかえにすぎず、社会を客観的に見てあらゆる社会階層の現実とその発展を描破しようとする民主主義文学でないことは明瞭です。
石川達三、林房雄氏その他の戦争協力者が民主化の低迷に乗じての活動は本年中どう動くかということは、これこそ実に数百万の小説を読む人々が自分たちの運命についてどこまで自分の主人になりうるかという問題と関連しています。日本の民主主義勢力が日本の民主化をおし進める努力とその成果との対照なしにいえないことです。
本年度は勤労人民の中からの文化活動は、経済的な苦痛を打開しようとするたたかいとともに活溌になります。