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いちえんぼんりゅうこうのがいどくとそのりめんだん
一円本流行の害毒と其裏面談
宮武 外骨
線上閱讀宮武 外骨《一円本流行の害毒と其裏面談(いちえんぼんりゅうこうのがいどくとそのりめんだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 21,916 字 · 44 頁
出版屋
これは本年六月頃の事である、一円本の第一巻より六巻までとか、第一編より四編までとか云う新本がゾッキ屋の手を経て、少しずつ、各地の古本屋に出た時、大阪の新本取次書店が連合して東京の出版元二三へ談判をした、それが面白い
「我々が一円で配付したのと同じ新本が、昨今古本屋の店に一冊四十銭内外の正札付でならべられて居る、それでお客様から苦情を持込んで来て、結局今後はイラナイと云って破約される、予約者が売った古本なら仕方もないが、出版元が残本を安売しては、我々が迷惑至極である、今後も尚又残本を安売りするのならば、我々は連合して円本の取次販売を断然止めるがドージャ」
此強談判を受けた出版元は青く成ってアヤマリ「それは御尤であるから、予定の冊数を完全に出版した後でなくば、残本安売りをいたしませぬから、ドーゾ不相変」と一同が平伏して無事に落着したのである、これで完成後は安売りする事を明言して居るのである、此時談判された出版屋の一人たる神田の某社主人が「実は安売りしたのではありません、ゾッキ屋某へ抵当として入れてあったのを期日までに行かなかった