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いちえんぼんりゅうこうのがいどくとそのりめんだん

一円本流行の害毒と其裏面談

宮武 外骨

線上閱讀宮武 外骨《一円本流行の害毒と其裏面談(いちえんぼんりゅうこうのがいどくとそのりめんだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 21,916 字 · 44 頁

青空文庫

円本著訳者の悖徳

附記 大量生産の円本出版其事が無謀の暴挙であるばかりでなく、円本出版屋の手段に就ても種々の暴挙がある、確乎たる収入の予算もないに、諸新聞へ大広告文を掲載せしめて其代料を支払わず、紙屋印刷屋へ注文した書冊の代料を支払わず、或は、他人の著作権を侵害して円本の材料とするなど、彼等の不徳行為は※指に遑なしで、其ため強硬の談判を受けて逃げ隠れるもあり、示談金を出してアヤマルのも多い、諸新聞紙上に掲出された岩波書店の被告事件などは表沙汰の一例に過ぎない

其一例とは、往年大倉書店が故夏目漱石と著作権共有の契約で出版した『吾輩は猫である』を、曩に岩波書店が一円本として出版した『漱石全集』中に無断で入れたので、大倉が漱石の遺族と岩波書店主人とを共同被告人として、著作権侵害の訴訟を起し、損害賠償金三万余円を出せと云う事件である

漱石の遺族などは論ずるに足りない、岩打つ波は狂瀾の相、東京の出版屋中で、比較的信用のあった岩波書店ですら此醜怪事あり、他は推して察すべしだ

円本著訳者の悖徳

出版屋の無謀に合意し、暴挙にクミした著訳者にはロクな者なしである、見識や徳義を有する