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さんにんのそうまだいさく

三人の相馬大作

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《三人の相馬大作(さんにんのそうまだいさく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 32,603 字 · 66 頁

青空文庫

「つけ。飯じゃあるめえし――」

「いいや、羽黒の山伏について、修行したんだとよ。その辺の川底に、まだ、潜ってるかも知れんよ」

女狩は、人々の話を聞きながら

(噂通りに、大変な奴だ)

と、思った。

(この川へ、何う忍んだのか? 忍ぶのは、夜の内からでも、忍べるが、刺し殺しておいて、何うもぐったのか――判らん。大砲で、討取れなかったから、こんな、突飛な真似をしたのであろうが、成る程な、一人で、乗込んでくるだけある。わしの手におえる奴ではない。十人かかっても敵うまい――といって一体わしは――江戸へ、このまま戻りも出来んし――一体、何うしたらな)

川面を眺めて、じっと、立っていた。

「渡しを出さんかよう」

二三人が、叫んだ。

「この大騒ぎに、お前、出すもんか」

女狩は

(せめて、大作の評判、足跡だけでも聞いて江戸へ戻ったなら――いいや、討取るといって出てきたのに――第一、何か、一手柄立てて戻らんと、女がもらえぬ。あいつは、別嬪だから――)

女狩は、失望を感じたが、それと同時に、辛抱をする決心をした。

(この辺に、大作は、潜んでいるにちがい無い。何か、うまい計略でも考えて――)