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さんにんのそうまだいさく

三人の相馬大作

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《三人の相馬大作(さんにんのそうまだいさく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 32,603 字 · 66 頁

青空文庫

女狩は、川岸の乱杭の中に、流れついた竹が、ぴくぴく動きながら、立っているのを、じっと凝視めて

(兄も、運の悪い、えらい奴に、討たれたものだ。対手が、強いだけならとにかく、評判までいいのだから――)

じっと、俯きながら、竹の、川水に動くのを、凝視していた。

十一

夜になった。女狩右源太が堤に立って、眺めていた竹筒が、左右へ動くと、人の顔が水の中から出てきた。耳と、眼だけを出して音を、影をうかがってから、首を、胸を出した。そして、身体を顫わしながら、堤の上へ這上って、又、暫く、四辺を、警戒していたが、静かに、指を口へ入れて、ぴーっと吹いた。

提燈が、堤の両側に、川下に、川上に動いていた。夜風が、もう冷たくなっていたので、大作の身体はがたがたと、眼に見えて顫え出してきた。

「ぴーっ」

それに応じて

「ほーう」

と、ふくろうの鳴声がした。低く、ぴっと鳴り、又、ほーっと応じた。茶店へ、押入れられた商人が

「先生」

「寒い」

暗い中で、大作は、手早く、どんつく布子をきて、髪を束ねた。そして、薬をのんで

「大丈夫か」

と、いった。

「人数は出しおりますが、恐ろしさが、先で、一言名を名乗ったら、逃出しましょう」