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さんにんのそうまだいさく
三人の相馬大作
直木 三十五
線上閱讀直木 三十五《三人の相馬大作(さんにんのそうまだいさく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 32,603 字 · 66 頁
「今、昼寝している」
役人が、走ってきて
「神妙に」
と、声をかけた。
二十二
関良輔の、相馬大作は、甘酒屋の荷と、柳の大木を楯にして、脇差を抜いていた。誰も懸け声だけで近づかなかった。役人がくると同時に、自分達は、じりじりと退いた。役人は、棒を構えて
「神妙に致せ」
と、叫んだ。幸橋の方から、霞ヶ関の方から、群衆と、役人とが――馬上で、徒歩で、それから、その近くの邸の人々は、足軽を出して、群衆を追っ払い始めた。
「神妙に致せ」
という声が、いつまでもつづいていた。関良輔は、人々が、十分に集ったのを見ると
「白沢の関より届にも及ばずして、参覲交代の道を変更したる段につき、上より咎めあるべきはずを、沙汰の無き、これ一つ。津軽越中守を、国境の渡場にて討取ったる上は、家改易に処すべきに、これまた、咎めの無きこれその二。第三に、天下周知の檜山横領の件。この三つの大罪を犯したる津軽を依怙贔屓によって、処断せざること、天下政道の乱れ、これに優ること無し。いささか、南部に縁ある者として、また、天下を憂える者として、ここに、白昼、お膝下、衆人環視の内において、津軽近江を討取ること万人が、その証拠人であろう。