輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ふれんぞくさつじんじけん
不連続殺人事件
線上閱讀坂口 安吾《不連続殺人事件(ふれんぞくさつじんじけん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 頁
モルヒネはプリンの中に煮こまれていたもので、製品の上へ誰かがふりまいたという性質のものではなかった。
「でも、想像もつきませんわ。私がプリンをこしらえているあいだ、別に何事もなかったのですもの。その場から離れた覚えもございませんし、怪しいこともございません」
「いつごろですか。プリンを作られたのは」
「四時ごろかと思います。刑事の方がお見えになって矢代さんにお会いしたいと仰言いますので、矢代さんのお部屋へ参りまして、居合していらした加代子さんと御挨拶などして、それから調理場へ行きましたの。先ずプリンを作って冷蔵庫へ入れました」
「奥様、もしや、お砂糖に」
と坪平のオカミサンが言葉をはさんだ。あやかさんは目を大きく見開いてオカミサンの顔を見ていたが、上気して、目の輝きがましてきた。
「いったい砂糖がどうしたのです」
と、カングリ警部にきかれて、坪平のオカミサンが答えた。
「旦那様はおからだにいけないそうで、普通のお砂糖は召上らぬ習慣でした。ビート糖を用いまして、旦那様の召上り物に限って、お砂糖だけは特別の砂糖壺のお砂糖を用いる例に致しておりますのです」
ただちに食堂のお砂糖、お醤油、メンミツな調査が行われたが、多門老人の砂糖壺に限って、注意して見ればそれと分る多量のモルヒネが混入されていることが発見された。