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りこんについて

与謝野晶子評論集

与謝野 晶子

線上閱讀与謝野 晶子《与謝野晶子評論集(りこんについて)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 50,402 字 · 100 頁

青空文庫

古代に溯って見ればいずれの国民も一婦多夫であり、また一夫多妻であった。また家長族長としての権利を男よりも女の方が多数に所有していた。今でも西蔵その他の未開国には一婦多夫と女の家長権とが古代の俤を遺している。文明国においても娼婦や妓女のたぐいは一種の公認せられた一婦多夫である。一夫多妻に到ってはいずれの文明国にも男子の裏面に誰も認める如く現に保存されている。

男子の本能の自躍するままに女子を選んだ元始的時代にあっては、後世の男子が我儘に玩弄物の如く女子を選ぶよりも、更に数層甚しい強圧即ち暴力を以て女子を掠奪したのであるから、当時の女子に純潔を持することの出来なかった事は想像が附く。

その当時の男女は食物を集める事と、舞踏し歌う事とに日を送ったが、男子は特に女子を奪うことに由って敵の男子と戦わねばならなかった。勿論当時の人間には国籍も住所も定っていない。水草を追うて浮動する小部隊が錯落として散在した事であろう。今日謂う所の如き「家」とか「社会」とかいう観念のなかったのは勿論である。

男子が他の男子と女の愛を競争し、一旦我手に掠奪した女を独占しようとするのは自然の性情である。