輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

おかのした

丘の下

小川 未明

線上閱讀小川 未明《丘の下(おかのした)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 2,401 字 · 5 頁

青空文庫

年雄は、丘の上に立って、ぼんやりと考えていました。

「学校で、みんなと別れるときは悲しかった。先生にごあいさつをすると、先生は、みんなに向かって、こんど年雄くんは、お父さんが転勤なさるので、遠くへいかれることになったから、よくお別れをなさいとおっしゃったのだ。みんなは、僕に手紙をくれよといって、所番地を紙片に書いて僕のポケットの中へ入れてくれたっけ。しかし、住所だけで、名を書いてないものは、だれだかわからないのだ。きっと、顔を知っているから、そのときは、いいと思ったのだろう。」

仲よく遊んだ、友だちの顔が、一人、一人、はっきりと目に映ったのでありました。

それは、ちょうど夏のはじめであったが、いまは、はや秋も末になっていました。あちらは、じき雪の降るころであろう。年雄は、北の遠い地平線をながめました。あの雲の漂っている下に、自分のなつかしい学校があるのだ。いまごろ、みんなは、どうしているだろうかと思ったのです。

キチ、キチといって、小鳥が、けたたましく鳴いてうしろの雑木林の中へ下りました。美しく色づいた葉も、だいぶ散ってしまって、林の中は、まばらに枝が見えていましたが、その鳥の姿はよくわかりませんでした。