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ちゅうせいのぶんがくでんとう

中世の文学伝統

風巻 景次郎

線上閱讀風巻 景次郎《中世の文学伝統(ちゅうせいのぶんがくでんとう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 115,977 字 · 230 頁

青空文庫

を昭和四年に佐佐木信綱博士が発見されたのによって、その考は全く覆されてしまった。『群書類従』に入れられた『金槐集』には、終に一本及び印本所載とある五十二首の歌が附けてあるが、定家所伝の本にはそれがない。大体の違いはそれだけで、あとは同じく、全歌数六百六十三首であるが、最も大切なことは、その本の終に定家の自筆で、「建暦三年、十二月十八日」と書かれていることである。この年は十二月六日改元、建保元年となったのだが、恐らく鎌倉でできた原本には、改元のことが徹底しないで、旧年号のまま日附が記されていたので、定家もそのまま写したのであろう。定家は作品の写しを作るときには、如何なる誤も私意ではなおさぬというような、そうした学者的な神経を何時でも見せる人である。だからこの場合もまちがいはないと思う。

『金槐集』の歌はだから、二十二歳までのものである。二十三から死ぬまでも、歌は作っているに違いないのだけれども、惜しいことにはこの分は殆どすべて亡びているのである。

実朝が不可説の名人だという説は、すでに鎌倉時代からある。しかし一般にいい出されたのは賀茂真淵がほめてからであり、更には正岡子規がほめてからである。