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ちょうさきかん
中井正一評論集
中井 正一
線上閱讀中井 正一《中井正一評論集(ちょうさきかん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 129,229 字 · 256 頁
5 射影としての意識
そこに初めて、ほんとうの「今」があるのではあるまいか。
逆にいうならば、この「今」がなければ、美はないのではあるまいか。私は俳句で、「季」が大切にされるのは、この「今」を大切にすることであると信じている。
5 射影としての意識
さきにのべたように、文化形式の変遷にしたがって、芸術論もがその姿を変えてきているのである。この最後の段階では、すでに、意識が、例えば、「魂」のような実体ではないのである。そこで、例えば、記憶といったようなものも、その「魂」にくっついて残るというようなものではないのである。むしろ、いろいろの物事が目にうつり、耳に聞こえたのが、ちょうど、ガラスの部屋に光が陰をおとすように「射影」の陰を残すともいうべきであろう。かかる場合、身体とは、光、音、言葉、のいろいろのものを、無限にうつしあう鏡のいっぱいにある宮殿のようなものと考えられるのである。そこで、意識といわれているものは、そのうつしあう、模写しあういろいろな光の交錯と考えられるのである。最近の心理学で、いうところの、例えば、「下意識」などという言葉は、いわば無意識の世界のことをいうのであるが、むしろ、この無意識の世界が、一番敏活に、一番正確に、全身をあげて、フルに動いている時のことをいうのである。