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アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河(アラスカのひょうが)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 122,039 字 · 248 頁
ここで給油をして、まっすぐに北上すれば、約九時間で、チューレに達する。この間の飛行は、半ばは、ラブラドールとバッフィン島との岩山の上を飛び、半ばは流氷と氷山の海上である。
グース・ベイがすでに、ソ満国境黒河と同じくらいの緯度のところである。樹林地帯の北限に近い。冬は二十フィートも雪が積るところである。そういうところに、大型機の発着できる飛行場をつくり、年間を通じて使っている。グース・ベイを飛びたって、一時間もすると、景色はすっかり「北極」になってしまう。見えるものは、裸の岩山と、細長く入りこんだ峡湾(フヨルド)だけである。人家も、耕作地も、道路も、およそ人工の加わったものは、なに一つ見られない。海岸には、エスキモーが、かなり住んでいるそうで、ラブラドールの北部は、すでに文明圏をはなれているのである。
ラブラドールの北にあるバッフィン島は、大きい島であって、日本全土よりも、ずっと大きい。この島になると、もう大半が北極圏内にある。全島が恐ろしい岩山であって、古い地質を思わせるような、青黒い岩が、むき出しの岩肌を見せている。いかにも万古の氷雪に耐えてきたという感じである。