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『ケプロン・くろだのこうそう』について
中谷宇吉郎集 第八巻
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎集 第八巻(『ケプロン・くろだのこうそう』について)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 85,890 字 · 178 頁
全教室がそうなっているので、校庭から見ると、箱を並べたような妙な恰好の建物である。簡単な実験室風の部屋が、各教室についていて、顕微鏡や生物の飼育箱が置いてある。
児童数が少ないのに、先生は二人つき切りなので、手はよく廻る。できの悪い児童と、成績のよい子とは、同じ教室内で同じ本を使っていても、別のところを習っている。私の子供の場合は、初め英語が全然できなかったのであるが、智能試験の結果、能力は三年生並みだからといって、三年の級に入れてくれた。そして一人だけ一年の本から始めて、三カ月で二年になり、次の三カ月で二年生の課程をすませて、やっと皆の仲間入りができた。そして四年の級に進むまでに、大体追いついて、皆と一緒に四年生になった。これは何も特別な例ではなく、小学校の教育は、各人の能力をのばすのが目的で、極端にいえば、同一クラスの中でも、児童一人一人に別の教育をするのが、理想となっている。
もっともこの小学校は、特殊の例であって、いわば実験学校である。こういう例外をもって、アメリカの初等教育全般を論ずることは、もちろんできない。学校経営の全費用を、児童数で割ると、一年に一人当り四百ドルくらいになる。