輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

線上閱讀林 不忘《丹下左膳(たんげさぜん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 340,187 字 · 666 頁

青空文庫

「は」

これで弥生、暗中の醒夢をふるいおとしていずまいをなおした。

「かかる次第じゃによって、わしはいかにもして、一時かの二剣を手にせねばならぬのじゃ。ナニ、ちょっとでよい。ほんの一刻、ふたつの柄をはずして秘文を取り出しさえすればあとの刀には、わしはなんらの未練も執着も持ち申さぬ。当然、正当の所有主たるそこもとへ即時返上つかまつるでござろう」

「は。そのお言葉を頼みに、わたくしも豆太郎も、せいぜい働きますでござりまする。ではそのようなことに――何はともあれ、二剣ひとまず御老人のお手もとへ! ハッ心得ました」

老士はただ、会心の笑みを洩らしただけらしい。こたえはなかった。

が!

雲竜奪取もさることながら……。

弥生のこころは、いつしか先夜、豆太郎とともに深川のお山びらきに左膳月輪を襲った時に、瓦町からつけていった栄三郎の姿。さては、夕ぐれ彼の帰り来る折りの風流べに絵売りのいでたち――それらの思い出を悲しく蔵して浮きたたなかった。

扮装は男でも、名は若侍でも、弥生はやはり弥生、成らぬ哀慕に人知れず泣くあけぼの小町のなみだは今もむかしもかわりなく至純であった。