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にせんねんせんそう

二、〇〇〇年戦争

海野 十三

線上閱讀海野 十三《二、〇〇〇年戦争(にせんねんせんそう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 34,367 字 · 69 頁

青空文庫

「それにしてもだ、この第一岬要塞を攻めるには、十万トン以上の主力艦かさもなければ、五百機以上の重編隊の爆撃機隊でなければ、てんで戦争にならないのだからね。旧イネ帝国の敗走兵どもに、そのような尨大な軍備が整いそうもないじゃないか」

「じゃあ、一体敵は、どこのどいつだろうかしらん」

「それは、おれの方で、たずねているのじゃないか」

兵士たちは、とりどりの噂をしている。彼等は、まさか大総督が、太青洋を距てたキンギン国を疑っているのだとは、想像もしていなかった。事実、今日まで両国の間には、別に問題になるような事件がなかったのである。

カモシカ中尉は、若い将校であった。年齢は、わずか十八であったが、頭脳もよかったし、学科の点も、練兵の成績もよかったので、中尉に任ぜられていた。彼もいま一隊の歩兵を率いて、第一岬要塞の附近に陣取って、見えない敵を睨んでいた。

「おい、通信兵。まだ本営からの命令は来ないか」

すると、中尉の傍についていた通信兵が、背中に負うた受信機を、重そうにゆすぶり直して、

「はい、まだ、何にも伝達がありません」と、答えた。

「どうも、遅いなあ。敵が何者であるぐらいのことは、早く示してもらわないと隊を指揮するのに困る」