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にせんねんせんそう

二、〇〇〇年戦争

海野 十三

線上閱讀海野 十三《二、〇〇〇年戦争(にせんねんせんそう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 34,367 字 · 69 頁

青空文庫

彼は、口をへの字に結んで、冷いトーチカのうえに、両腕をのせた。

そのとき、どこからか、低い呻りをきいたように思った。

「隊長。本営からの命令です」

「なにッ、早くいえ!」

そういう間にも、カモシカ中尉は、怪しい呻りが空中にだんだん大きくなるのを聞きのがさなかった。

「本営命令。敵はキンギン国なり。キンギン国の進攻命令をつたうる電波は、空中に次々に放送されつつあり。やがて海上に敵艦隊は姿を現わさん。敵の攻撃は第一岬要塞附近に集中せられ、強行上陸を企つるものと思わる。依って、わが軍は、全力をあげて守備を固くし、敵を撃退すべし」

通信兵は、耳に入る本営からの命令を復唱した。そして、一方の手をつかって、巧みにそれを録音した。中尉からの命令があり次第、すぐにも全軍に、それを放送する準備のためであった。

「ふーむ、敵はキンギン国か、畜生!」

と、カモシカ中尉は、鎧をぽんぽんと叩いて、怒りのこえをあげた。

「中尉どの。これを全軍に伝えますか」

「うむ。敵はキンギン国なり。わが軍は、全力をあげて、守備を固くし、敵を撃退すべし――というところだけを、放送せい」

「はい」

そういっているうちに、例の怪しい呻りは、急に頭上にさし迫ってきた。