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ごかいのまど
五階の窓
国枝 史郎
線上閱讀国枝 史郎《五階の窓(ごかいのまど)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 7,651 字 · 16 頁
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だが、もちろんざらにある程度さ。悲劇の渦中で知ったので、印象深いというまでさ。大概の女は悲劇中に見ると、別嬪に見えるから面白いよ。ところで、こいつを喜劇中に見ると、それこそもっと別嬪に見える。泣きっ面より笑い顔のほうがいいさ。いちばん困るのは中間性の面だ。言い換えると退屈の面なんだからなあ)
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未練なくあとへ引っ返そうとして、ふと見ると巨大な建物があった。
(ああ、有名なK病院だな)
がらりと考えが一変した。
(彼女は病院へ入ったはずだ)
きわめて簡単な推理であった。字面の研究に費やして艶子から視線を離したのは、わずか二分足らずであった。艶子がいないと気がつくと、彼は十字路の四方を見た。ばらばらと人は通っていたが、艶子の姿は見えなかった。どこかへ寄ったに相違ない。
(病院へ患者を訪ねたのか、彼女が診てもらいに行ったのか、どっちみち病院へ行ったものとみれば、考え込んでいた彼女の様子がいっそう合理的になる。病院へ行くということは愉快なことではないのだからな。おれも病院へ行ってみよう。おれだってぴんぴん達者のほうではない、艶子の発見が無駄に終わっても、こんな機会を利用して健康診断をしてもらうのも、また大いによいことではないか)