輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ごかいのまど
五階の窓
甲賀 三郎
線上閱讀甲賀 三郎《五階の窓(ごかいのまど)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,373 字 · 25 頁
16
それで、良心が咎めていらっしゃるでしょう。わたしは探偵でも記者でもありませんから、秘密はきっと守りますよ。ね、おっしゃってください」
眉一つ動かさず、不気味な面のような顔をしていた艶子は、ぱっとつっ伏すと激しくすすり泣きを始めた。
16
「どうだい、獲物はあったかい」
「うん、小説家としての獲物はあったね」
「小説家としての獲物って、なんだい」
「小説家はね、実際なんかどうでもいいのさ、空想を働かすのさ」
「空想か、そいつは困るな」
小説家の長谷川と新聞記者の山本は例のごとく、カフェー『すみれ軒』でブラジルコーヒーをすすりながら話していた。ガラス戸越しに、大きな牡丹雪が忙しそうに降っている。午後二時、ほかに客の姿は見えない。
「空想はいけないかい。じゃ、きみのほうは?」
「ぼくのほうは活動を続けているさ。もっとも、新聞社のほうは警察みたいに人を喚問したり、訊問したりすることはできないから、でき得るかぎり事実を探聞するだけだ。二、三、新事実を発見したよ」
「教えてもらえないかね」
「そう下手に出られると教えざるを得んね。第一は新嫌疑者の追跡さ。舟木――」
「え?」
「舟木新次郎といってね、西村商会の工員なんだが、死んだ社長の愛人の弟でね、なんでも公私ともに西村を恨んでいるらしいのだ。