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がんりゅうじま

仇討二十一話

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《仇討二十一話(がんりゅうじま)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 16,854 字 · 35 頁

青空文庫

大将謙信におかせられましては、金小実(きんこざね)、萌黄(もえぎ)と白二段分けの腹当に、猩々緋(しょうじょうひ)の陣羽織、金鍬形を打ったる御兜を一天高しと押いただき……」

土間へ、木戸の暖簾(のれん)を頭で分けて一足入れたが、混んでいるから一寸(ちょっと)足を留めて、高座をみるとどっと胸へきた。すっと頭を引込めて、暖簾の間からよく見ると髪も姿(なり)も変っているがそれらしい。

「よく入ってますね」

「へイ」

木戸番という奴は無愛想が多い。

「今の高座のは、武家上りらしいが、そうじゃ無いんですか」

木戸番、じろりと顔を見上げて、

「よく御存じですの、何んでもそんな話でげすよ」

ぷいと出てしまったが、七八間行くと一目散、主人佐々木清十郎の泊って居る宿へ、どんどんと梯子を踏鳴して飛んで上ってきた。

「一寸表へ」

「見つかったか?」

と、云ったが荷から取出す脇差。顔色が変る。

「何処(どこ)だ」

目で知らせる無言の二人。

「弥五郎待っていろ」

と、不審がって見送っている女中をあとに寄席へきてみると、川中島の大合戦、外まで洩れてくる。

「さっと吹払う朝風に、霧晴れやったる、川中島を見渡せば、天よりや降ったりけん。