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かめんのきょうふおう

仮面の恐怖王/電人M

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《仮面の恐怖王/電人M(かめんのきょうふおう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 153,590 字 · 308 頁

青空文庫

ゴソッ、ゴソッと、とおくから、土の中を歩く音が聞こえてきます。

「おやっ、こっちへ、やってきたのかな。左のあなへはいったとすれば、こんなに足音が聞こえるはずはないんだ。」

小林君は、ささやくようにいって、じっと、やみの中を見つめました。

しかし、すぐむこうに、まがりかどがあるので、見とおしがきくわけはないのです。

ゴソッ、ゴソッ、ゴソッ……、足音はだんだん、こちらへ、ちかづいてきます。そして、やみの中に、チラッと青く光るまるいものがあらわれました。まず一つあらわれ、そして、もう一つ。

目です。ゴリラの目です。ゴリラの目が、まったくのやみの中で光るものかどうか、小林君は知りませんでしたが、このゴリラの目は、たしかにリンのように光っているのです。これには、なにか、わけがあるのではないでしょうか。

そのおそろしい目を見ると、ふたりは、おもわず、「ワッ。」といって、ほらあなのおくへ、かけだしました。もう、地ひびきで、土がおちることなど、考えているひまはありません。

すこし走ったと思うと、またしても、「ワッ……。」という、さけび声がおこりました。

なにかにつまずいて、たおれたのです。