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かめんのきょうふおう

仮面の恐怖王/電人M

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《仮面の恐怖王/電人M(かめんのきょうふおう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 153,590 字 · 308 頁

青空文庫

博士は急いで、部屋をグルグル見まわしました。なにもいません。それでいて、なにかがいるような気がするのです。

さすがの博士も、恐くなってきました。でも、さわぎたてては、みっともないと思ったので、がまんをして、ベッドにはいりましたが、なかなか、眠れません。

そのときです。

どこからか、かすかに、もののきしるような音が、聞こえてきました。

天井で、ネズミが、なにかをかじっているのかと思いましたが、そうではありません。この音はだんだん大きくなってきました。そして、人間のことばになったのです。

「遠藤君、眠れないようだね。おれの声が聞こえるかね。」

金属をすりあわせるような、きみの悪い声です。

博士は黙っていました。声は、それにかまわず、つづきます。

「おれは電人Mだ。おれの持っている電気の力は、オールマイティー(全能)だ。どんなことだってできるのだ。こうして、姿を見せないで、きみと話すこともできるのだ。

だが、いくらおれでも、きみの頭の中まではわからない。そこで、おれはきみと友だちになりたいのだ。どうだ、おれの仲間になって、発明の秘密を、打ち明けないか。そうすれば、金はいくらでも手にはいるんだぞ。