輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
かめんのきょうふおう
仮面の恐怖王/電人M
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《仮面の恐怖王/電人M(かめんのきょうふおう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 153,590 字 · 308 頁
ひとりの部下が懐中電灯をてらして、後部甲板をあちこちと歩きまわっていました。
すると、どこかで、コトコト、と音がするのです。
「だれだっ……。」
と、どなってみても、なんの答えもなく、ただコトコトとおなじ音がつづくばかりです。
「へんだぞ。」とおもいました。じっと耳をすまして、音のする方角を聞きさだめておいて、そこを懐中電灯でてらしてみました。
ズックのきれが動いています。その下に、なにか生きものが、かくれているのかもしれません。
部下の男は、こわごわ、そばに近づくと、ズックをつかんで、ぱっと、はねのけました。
「やっ、明智だなっ……。」
そこには、黒い背広をきた男が手足をしばられて、ころがっていました。部下はそれを見て、てっきり明智探偵と思いこんだのです。さるぐつわで口のへんをしばられているのですし、服が明智の背広ですから、ひとめ見て、明智と思ったのはむりもありません。
その部下は、いきなり船室のほうへかけだしていって、みんなをよびましたので、たちまち六―七人の部下のものが集まってきました。
「どうした、どうした。」
「なに、明智のやろうが、しばられているって?」