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いど
作家の自伝102 伊藤左千夫
伊藤 左千夫
線上閱讀伊藤 左千夫《作家の自伝102 伊藤左千夫(いど)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,100 字 · 19 頁
三
匹夫野人も屑しとしないような醜行陋体を、世間憚らず実現しつつ、詩は神聖恋は神聖を歌って居るところの汚醜劣等の卑人が、趣味がどうの、美がどうのと云うてるのに、社会の一部が耳をかしてるとは、情ないじゃないか。
今の家庭を云々するものも、どうか厄介宗教家や、汚醜詩人のそれの如くならで、まず何より先に、自己の家庭を整えて貰いたい。今の家庭問題に注意する人々に告ぐ、自分は自分だけの家庭を作れ、決して家庭読物などの談に心を奪わるる勿れ。今の家庭説とて、皆悪いことばかりを書いてあると云うのではない、本末を顛倒し、選択を誤るの害を恐れるのである。真の宗教、真の詩、真の家庭、却て天真なる諸君の精神に存するということを忘れてはならぬ。
「新仏教」明38・2
三
調子に乗って大きな事を云い散らしてしまった。心づいて自らかえり見ると俄にきまりが悪くなった。埒もなき家庭談を試みようとの考であったのに、如何にも仰山な前提を書き飛ばした。既に書いてしまったものを今更悔いても仕方がないが、一度慚愧の念に襲われては、何事にも無頓着なる予と雖も、さすがに躊躇するのである。
乍併茲で止めて了うては余りに無責任のようにも思われる。